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『 スミレ科 :スミレ属 。 |
日本には約60種が自生し、
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またその変種が数十種類と大変多い。
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地上茎がのびて葉が互性する有茎種と
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地上茎が発達せず葉や花柄が根もとからでる
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無茎種とに分けられます。
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有茎種にはタチツボスミレやツボスミレ、
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無茎種にはスミレやアリアケスミレなどがあります。
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「スミレ(菫)」
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学名:「 Viola mandshurica 」。
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種としての「スミレ(菫)」は、
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茎は地中で短く、立ち上がらない。
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地上茎はなく、花は大きく濃紅紫色で
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左右の花弁内側に白毛が密生し、
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葉柄に翼のある長い葉をもつのが特徴です。
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「アリアケスミレ(有明菫)」
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学名:「 Viola betonicifolia var. albescens 」。
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本州から九州、朝鮮・中国に分布する多年草。 |
人家周辺で出会うことができる白いスミレの代表格です。 |
花期は4月〜5月。 |
草丈は5〜15cmくらい。 |
花は根元から出て、白地に濃紫色の筋が入り、 |
筋の多さには個体差があって、ほぼ白色から |
全体的には淡い紫色に見える程度のものまでがある。 |
葉の形はスミレとよく似ており、長く伸びて5.5〜8cm。 |
葉っぱが細長いのが特徴です。
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花は側弁に毛があり、距は短い。 |
名前は、変化に富む花の色を |
明け方ころの空にたとえてつけられたそうです。
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「アオイスミレ(葵菫)」
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学名:「 Viola hondoensis 」。
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別名「ヒナブキ」。
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名前の由来は葉がフタバアオイに似ているため。
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スミレ属のなかで目だって花期の早いもののひとつ。
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落葉樹林の縁など半陰地に群生する多年草。
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草丈3〜8cm。
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雌しべの花柱の先がカギ型に曲がる、
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果実は球形で毛深い、のが特徴。
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完熟すると果皮がよじれて割れ、付近にこぼれおちる。
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種子を弾き飛ばす仕組みを持たなくて、
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アリと双利共生の関係にあるアリ散布植物である。
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「ニオイスミレ(匂菫)」
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学名:「 Viola odorata 」。
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寒さには強いが暑さにはかなり弱い帰化種の多年草である。
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別名を「スイートバイオレット」。
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草丈10〜15cmで、茎は匍匐し、葉は根生で、
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他のスミレ類と同じく、ハート形である。
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左右相称の5弁花で、
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すみれ色またはヴァイオレット・カラーと呼ばれる
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明るい藍色が基本だが、
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薄紫・白・淡いピンクなどもあり、八重咲きもある。
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バラ、ラヴェンダーとならぶ香水の原料花として、
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古くから栽培されている。
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アリと双利共生の関係にあるアリ散布植物である。
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種子や根茎には神経毒のビオリン等があり、
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嘔吐や神経マヒを発症することがある。
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ヨーロッパでは消炎剤として利用されている。
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「タチツボスミレ(立坪菫)」
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学名:「 Viola grypoceras 」。
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種としてのスミレも普通種であるが、
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それ以上に普通種であり、
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日本を代表するスミレがタチツボスミレである。
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根出葉は細い葉柄があって、葉身はハート形(心形)。
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葉にはあまり艶がない。
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花期は3〜5月。
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花茎は葉の間から出て立ち上がり、
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先端がうつむいて花を付ける。
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花は典型的なスミレの花の形だが、
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スミレより丸っこく、花色は薄い紫が普通。
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「ヒゴスミレ(肥後菫)」
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学名:「 Viola chaerophylloides f. sieboldiana 」。
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山野の日当たりのよいところに生える。
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草丈7〜10cm。
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葉は5裂し、各裂片はさらに細かく裂ける。
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長さ3〜6cm。
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花は白色が多い。
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花の直径は1.5〜2cm。
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花には芳香がある。
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類似種の「エイザンスミレ」は葉が3裂し、
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花期が10日ほど早い。
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「アメリカスミレサイシン(亜米利加菫細辛)」
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学名:「 Viola sororia 」。
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帰化種で、北米原産。
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種小名である「ビオラ・ソロリア」で呼ばれることが多い。
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葉は心形で、基部は丸く巻き込みます。
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花は大きく、縦横3cm位にもなり、
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側弁基部には沢山の太く長い白毛がある。
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(タチツボスミレやスミレサイシンには毛が無い)
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また、このスミレは山葵の様な形をした
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かなり大きな地下茎を形成するのが特徴。
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「キクバスミレ(菊葉菫)」
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学名:「 Viola palmata 」。
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別名「クワガタスミレ(鍬形菫)」、
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「ビオラ・パルマータ 」とも。
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北アメリカ原産のすみれです。
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手のひら状の(=palmate)葉が特徴。
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草丈は10cmほど。
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「ヒメスミレ(姫菫)」
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学名:「 Viola confusa 」。
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草丈4〜8cm。
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葉は三角形で、基部はハート形。
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長さ3〜4cm。
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葉の裏面は紫色を帯びる。
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葉柄に翼はない。
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葉縁には鋸歯がある。
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花は濃紫色。
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花の直径1〜1.5cm。
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「ツボスミレ(坪菫)」
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学名:「 Viola verecunda 」。
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多年草。
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「ニョイスミレ(如意菫)」とも呼ばれる。
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全体に小柄で、茎はよく伸びて往々にして地表を這い、
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花はあまり高く出ないので、
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あまり目立たない植物である。
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地下茎はごく短く、地上に根出葉と複数の茎を伸ばす。
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茎は斜めに伸びるか横に這い、間を空けて葉をつける。
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草丈は5〜25cmほど。
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葉は丸っこく、基部は深く心形になるので、
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全体としてはきれいなハート形の葉である。
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葉柄は根出葉では長く、茎葉では短い。
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葉は柔らかく、緑色でつやがなく、無毛。
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葉の縁には粗くて背の低い鋸歯がある。
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花は匍匐する茎の葉腋から出て、花柄は立ち上がり、
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葉より少し上に出て花をつける。
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花色は白で、上弁は反り返る。
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花弁には基部に向けて紫の筋が入る。
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花弁はやや細め。
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距は丸くて短い。
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「ナガバノスミレサイシン(長葉の菫細辛)」
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学名:「 Viola bissetii 」。
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日本海側に分布するスミレサイシンに似ていて、
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太平洋岸に分布する日本の固有種。
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葉はスミレサイシンの葉を細長くした形で、
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長さ5〜8p。
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葉の基部は心形。
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茎や葉の裏はやや紫色を帯びるが、葉の表は緑色。
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花は直径約2pと小形で、
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花弁は細く、花の色は淡紫色。
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側弁は無毛。
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スミレサイシンと同様に雌しべの柱頭が
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くちばし状になる。
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距は太くて、短く、花と同色。
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「スミレの閉鎖花」
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「閉鎖花」と言うのは、
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花弁が無く、開く前に自家受粉で受精して、
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開いたときには成熟した種子だけが
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出て来る「花」である。
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スミレには、春の終わりから晩秋まで
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次々と緑白色の蕾ができます。
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この緑白色の花はつぼみの状態のままで
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決して開花することはありません。
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スミレの開花するほうの花(開放花)は
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ほとんど結実することはなく、
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この「つぼみ」のほうが、もっぱら結実して
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種族を残す役目を担っています。
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閉鎖花にも「おしべ」と「めしべ」が備わっていて、
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硬く閉ざされたつぼみの状態のまま、
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「めしべ」が同じ花の「おしべ」の花粉で受粉し、
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そのまま結実して種子を作るのです。
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つまり、「自花受粉」をしてしまうのです。
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「閉鎖花」をつけるのは、確実に受粉して、
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結実するためと言われています。
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スミレの「閉鎖花」は、中の種が成熟すると、
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うなだれていた首を真っ直ぐに伸ばし、
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果実が熟すと三つに割れます。
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割れた殻のそれぞれが縦に閉じ、
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その閉じる力を利用して
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中の種子を周囲にはじき飛ばします。
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2m以上は飛ぶようです。
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殻が縦に閉じるのは、乾燥による変形のようです。
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また、種を飛ばし終わった後の
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閉じた殻は雨に合うと再び開きます。
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花の構造や花粉の性状からは、本来「虫媒花」で、
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「他花受粉」の花であったものと思われます。
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それが何時の間にか昆虫たちの媒介による
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受粉を当てにせずに、「自花受粉」するようになり、
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さらにもっと受粉を確実にするために
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「閉鎖花」を生ずるようになったと考えられます。 』 |