since 2009.02.23 by takun243

マイ植物図鑑(雑学)




目次

◆ アヤメ科アヤメ属
◆ アレロパシー(Allelopathy)
◆ ウマノスズクサ科(Aristolochiaceae)
◆ 江戸五木
◆ 帰り花
◆ 紅葉のしくみ
◆ サクラ(桜)
◆ サルビア(アキギリ)属
◆ 史前帰化植物
◆ ショウマ
◆ スプリング・エフェメラル
◆ ツバキとサザンカの見分け方
◆ 
◆ ツユクサ科(Commelinaceae)の植物
◆ 七草
◆ 閉鎖花(へいさか)
◆ ホトトギス属
◆ ワスレグサ(キスゲ、ヘメロカリス)属





アヤメ科アヤメ属


「アヤメ」の漢字には、菖蒲、文目、綾目があてられる。
「菖蒲」を、「アヤメ」と読むか、「ショウブ」と読むか。
古くは「あやめ」の名は サトイモ(ショウブ)科の「 ショウブ」を指した語で、
現在のアヤメは「はなあやめ」と呼ばれた。

日本のアヤメ科アヤメ属には、
アヤメ
ハナショウブ
カキツバタ
ヒオウギアヤメ
シャガ
ヒメシャガ
・エヒメアヤメ

の7種と、帰化植物として、
キショウブ
イチハツ

がある。

「ハナショウブ」の原種、「 ノハナショウブ」はこちらから。
「アヤメ(文目)」に似ている「 カマヤマショウブ」はこちらから。

東村山北公園の「ハナショウブ」を 旧ブログにアップしました。。

刀のような形(剣形)のアヤメ科の葉については、
「表(おもて)面」が無い(単面葉)のが特徴。


「アヤメ、カキツバタ、ハナショウブの見分け方」

ごく簡単には、花びらの基のところに、
アヤメは網目状、カキツバタは白、花菖蒲は黄色の模様が、
それぞれあることで区別できます。

堀切菖蒲園には、その見分け方として、
次の記述の掲示がある(2005年6月現在)。

【種別】 アヤメカキツバタ ハナショウブ
【花の色】 紫、まれに白青紫のほか紫、白、紋など紅紫、紫、絞、覆輪など
【葉】 主脈不明瞭主脈細小主脈太い
【花の特徴】 外花被片に網目模様・黄色い模様が有る。 外花被片に網目模様無し。外花被片に白い斑紋が有る。 外花被片に網目模様無し。外花被片に黄色い斑紋が有る。
【適地】 かわいた所に育つ水中や湿った所に育つ湿ったところに育つ
【開花期】 5月上旬〜中旬5月中旬〜下旬6月上旬〜下旬


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アレロパシー(Allelopathy)


アレロパシーとは、ある植物が他の植物の
生長を抑える物質(アレロケミカル)を放出したり、
あるいは動物や微生物を防いだり、
あるいは引き寄せたりする効果の総称。
邦訳では「他感作用」という。
ギリシャ語のallelon(互いに)と
pathos(一方が他に障害を与える)を合成した合成語である。
1937年にドイツの植物学者
ハンス・モーリッシュにより提唱された。
アレロパシーは、連作障害の原因の一つと考えられている。
また、特定の植物により雑草や害虫を防除する
生物農薬としての利用が注目されている。

アレロパシーを有する植物

セイタカアワダチソウ、
クルミ(葉からユグロンを出す)、
サクラ(葉からクマリンを出す)、
マツ、ソバ、ヨモギ、ハリエンジュ(ニセアカシア)、
アスパラガス、ヒガンバナ、レモンなど。


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ウマノスズクサ科(Aristolochiaceae)


熱帯に多く、温帯(東アジア・北米・ヨーロッパ)にかけて
世界に6属約600種が分布し、
日本にはウマノスズクサ属とカンアオイ属が自生する。
花は3数性をしめし、両性で、
大部分は花弁がなく(一部のものは花弁3枚)、
萼は合生して筒状(先が3裂する)、
ラッパ状または細長い管状になる。
おしべは6または12本のものが多い。
子房下位または半下位。

カンアオイ属をフタバアオイ属、ウスバサイシン属
及びカンアオイ属などに分ける意見もある。


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江戸五木


江戸五木(えどごぼく)
江戸時代に江戸で重視された造園木。
モッコク
・アカマツ
・イトヒバ(サワラの変種。)
カヤ
イヌマキ


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帰り花


春に咲く桜や躑躅などが、初冬の暖かさ(小春日和)に
惑わされたかのように 花開くことがあります。
これを帰り花、二度咲などと云います。
『春の花が帰って きた』という一種の擬人法かと思われます。
同じ定義として狂い咲き、狂い花などがありますが、
ニュアンスが大分異なるように思います。


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紅葉のしくみ



「子どもと100倍楽しむ自然の遊び場」さんからコピーさせてもらいました。

ありがとうございます。(2017.12.29)


紅葉のしくみ

◆落葉樹が紅葉する。
全ての木が紅葉するのではなく
サクラ、カエデ、ブナ、イチョウなど葉の落ちる落葉樹が紅葉する。
逆にマツやスギなどは、1年中葉が落ちない常葉樹で緑のまま。
落葉樹は、冬になる前に古くなった葉をいっせいに落とす木。
逆に常緑樹は、1年中緑色の葉をつけている木。
ただし、常緑樹は1年中葉がついているといっても、
カシやシイなどの常緑広葉樹では、
春に新しい葉が出てきたら
古い葉を落とし、新しい葉にとりかえていく。
落葉樹は、
冷たい空気に触れる部分をできるだけ少なくするために、
秋に葉を落とし寒い冬を乗り越える。

◆葉の緑色は、「クロロフィル」と言う葉緑素の粒のため
落葉樹の夏の葉は、たいてい緑色。
これは、葉の中には葉緑素という緑の粒(色素)がたくさんあるからだ。
この緑の粒を、「クロロフィル」と呼ぶ。
元々葉には、「クロロフィル」と
「カロチノイド」という黄色の粒(色素)も含まれているのだが、
夏の葉は、緑の粒が黄色い粒より多いので、
黄色い粒のほとんどが隠れてしまい黄色が見えない。

紅葉の葉は、黄色くなる葉と赤色になる葉がある。
厳密には赤色に変わるのを「紅葉(こうよう)」、
黄色に変わるのを「黄葉(おうよう)」、
褐色に変わるのを「褐葉(かつよう)」と呼ぶようだが、
これらをまとめて「紅葉」として扱われることが多い。

◆黄色くなる葉と赤色になる葉の紅葉のしくみは違う
秋に黄色くなる葉は、
太陽の光が少なくなり、気温が低くなると
緑色の葉緑素がだんだん壊れて、
それまで隠れていた黄色い粒「カロチノイド」が見えてくる。
葉が黄色くなるのは、
「カロチノイド」という黄色い粒が葉の表面に現れてくることからなる。
黄色く紅葉するのが、イチョウ、ブナ、シラカバなどだ。

夏から秋へと季節が変わると、
だんだんと光を浴びる時間が少なくなり寒くなってくる。
そうなると、葉の根元と枝の間に
「離層」と呼ばれるコルク状の物質ができる。
この「離層」により、光合成で葉の中に作られていた糖分が
枝の方に運ばれず、葉の中に留まってしまう。
葉の中では、自然と糖分の濃度が上がりそこに日光が当たると、
葉の中にある葉緑素「クロロフィル」が分解され
糖分と一緒になって化学反応が起こり
「アントシアニン」という赤色の色素に変化する。
この「アントシアニン」がだんだん増えてくると、葉の表面が赤くなる。
これが、赤く紅葉する葉の簡単な原理。
「アントシアニン」は、「カロチノイド」と違って、
葉が緑色の時はまだ存在していない。
赤く紅葉するのは、カエデ、ナナカマド、
ヤマウルシ、オオカメノキなどだ。

ふしぎなことに、
「落葉樹の紅葉は、木が成長する過程でどのような役割があるのか?」
ということが解明(定説)されていなく、
さまざまな説があるとのこと。


◆紅葉の良し悪しを決める3つの条件
同じ場所でも毎年色の具合が違う。
紅葉をきれいにする要因には、3つの条件があり
これらの条件によって、紅葉のきれいさが変化する。

■日中の天気がいいこと
赤い色素となる糖分は光合成によって作られる。
日中、天気が良いことがが、きれいな紅葉となる条件のひとつ。
■適度な雨や水分があること
乾燥しすぎると、葉が紅葉する前に枯れてしまう。
適度に雨や水分があることが、紅葉には好条件。
紅葉の名所が、渓谷や川沿いに多いのは、
この条件が揃っているからだ。
■昼と夜の寒暖の差があること
夜の気温が高いと、
昼間作った糖分を使って活動してしまうので鮮やかな赤にならない。
昼と夜の寒暖の差がある方が、
糖分の使用が少なくきれいな紅葉となる。
一般的に、紅葉は最低気温が
8℃以下になると始まると言われている。
朝の最低気温が5℃以下の日が続くと、
もっとも美しい紅葉が見られると言われている。




『補足』(Wikipedia から)

ありがとうございます。(2018.05.16)


紅葉のメカニズム

普段、葉が緑色に見えるのはクロロフィルが含まれるからである。
秋になり日照時間が短くなるとクロロフィルが分解される。
これは植物学的には葉の老化反応と考えられている。
夏の間、葉ではクロロフィルが光を吸収して活発に光合成が行われる。
落葉樹の葉では、
気象条件が光合成に適さない冬を迎える前に老化反応が起こる。
この過程では光合成の装置などが分解されて、
葉に蓄えられた栄養が幹へと回収される。
翌年の春にこの栄養は再利用される。
栄養が十分に回収された葉では、
植物ホルモンの1つエチレンの働きによって
葉柄の付け根に離層ができ、枝から切り離される。
これによって、無駄な水分やエネルギーが
冬の間に消費されるのを防ぐことができる。
植物の葉は「カロテノイド」色素などを使って
光の害から自分自身を守る仕組みを備えているが、
葉の老化過程ではカロテノイドを含む様々な分子が分解されるため、
この過程を進める間も光による害から葉を守る必要がある。

「葉柄の付け根に離層ができ、
葉で作られた糖類やアミノ酸類が葉に蓄積し、
その糖から新たな色素が作られる」とする俗説は誤りである。

紅葉、黄葉、褐葉の違いは、
植物によってそれぞれの色素を作り出す能力の違いと、
気温、水湿、紫外線などの自然条件の作用による
酵素作用発現の違いが、複雑にからみあって起こる現象とされる。


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サクラ(桜)(バラ科サクラ属)


サクラは、バラ科サクラ亜科サクラ属に分類される落葉広葉樹である。
園芸品種が多く、花弁の数や色、花のつけかたなどを改良しようと
古くから多くの園芸品種が作られた。
日本では固有種・交配種を含め600種以上の品種が確認されている。

サクラ亜科は以下に分類されます。
・サクラ亜科
   ・ウワミズザクラ属
   ・サクラ属
   ・スモモ属
   ・バクチノキ属
   ・モモ属
   ・アンズ属


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サルビア(アキギリ)属(シソ科)


サルビア(アキギリ)属とは、シソ科の属の一つ。
学名「 Salvia 」。
中南米やヨーロッパを中心に世界に約900種が分布する。
サルビア、セージがこれに含まれる。
1・2年草または宿根草であり、観賞用に栽培されるものが多数あるが、
一部、薬草として用いられる種類もある。
日本語では、観賞用のものをサルビア、
薬や香辛料として使用できるものをセージと言って区別している場合が多い。
日本原産の種類としてはアキノタムラソウ、
キバナアキギリ(黄花秋桐)など約10種がある。


サルビア(アキギリ)属の代表的な種

アイラッシュリーブドセージ(サルビア・ブレファロイラ)
アメジストセージ(サルビア・レウカンサ、メキシカンブッシュセージ)
カカリアセージ(サルビア・カカリフォリア)
クラリセージ(サルビア・スクラレア、オニサルビア)
化粧サルビア(サルビア・ファリナセア、ブルーサルビア)
ゲンチアンセージ(サルビア・パテンス、ソライロサルビア)
セージ(サルビア・オフィキナリス、薬用サルビア、コモンセージ)
タンジン
チェリーセージ(サルビア・ミクロフィラ、サルビア・グレッギー、サルビア・ヤメンシス)
ディスコロールセージ(サルビア・ディスコロール、アンデアンセージ)
パイナップルセージ(サルビア・エレガンス)
ブキャナンズセージ(サルビア・ブキャナニー、フクシアセージ)
ボックセージ(サルビア・ウルギノーサ)
メドウセージ(サルビア・ガラニチカ)
ラベンダーセージ(サルビア・インディゴ・スパイアス)
ローズリーフセージ(サルビア・インボルクラタ)


黄色い花の「 エルサレムセージ」はフロミス属になります。


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史前帰化植物


帰化植物は、植物に属する外来種である。
普通、維管束植物の範囲で考える。
帰化植物は、単に国外から入った植物の意味ではなく、
人為的な手段で持ち込まれた植物のうちで、
野外で勝手に生育するようになったもののことである。

日本本土の植物(シダ類まで含む)が約4000種、
そのうち帰化植物は1200種と言われている。
恐らく最も古いものはヒトの伝来にまで
溯らねばならないかもしれない。
少なくとも、農耕文化は多くが国外からもたらされたものであり、
それらは同時に多くの帰化植物をもたらしたと考えられる。
現在も農村や畑周辺に見られる雑草には
そのようなものが多いのではないかと
前川文夫(植物学者)は考え、これを史前帰化植物と呼んだ。
江戸末期からは物流は一気に激しくなり、帰化植物は急増する。
そこでこの時期以降の帰化植物を新帰化植物、
それ以前のものを旧帰化植物と呼ぶこともある。
一般的に帰化植物と言えば主として新帰化植物を指す。


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ショウマ


「ショウマ」と名のつく植物と仲間を簡単にまとめてみました。
ユキノシタ科のほか、キンポウゲ科、バラ科、メギ科に分かれます。


ユキノシタ科チダケサシ属
 ・ アカショウマ(赤升麻)
 ・ アワモリショウマ(泡盛升麻)
 ・ チダケサシ(乳茸刺)
 ・ トリアシショウマ(鳥足升麻)
 ・ヒトツバショウマ(一つ葉升麻)

キンポウゲ科サラシナショウマ属
 ・ イヌショウマ(犬升麻)
 ・ サラシナショウマ(晒菜升麻)

キンポウゲ科レンゲショウマ属
 ・ レンゲショウマ(蓮華升麻)

ユキノシタ科キレンゲショウマ属
 ・キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)

バラ科ヤマブキショウマ属
 ・ヤマブキショウマ(山吹升麻)

メギ科トガクシショウマ(トガクシソウ)属
 ・トガクシショウマ(戸隠升麻)


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スプリング・エフェメラル


“Spring Ephemeral:春の妖精、春のはかない命”と呼ばれて、
落葉樹が芽吹く前の早春に芽吹き花を咲かせ、
木々が葉を茂らせる初夏までには、
種子を実らせ地上部が枯れてしまい、
翌年の早春まで地下の根茎や種子だけで休眠に入る、
活動期間の短い植物の生態学的な言葉です。

セツブンソウ、アズマイチゲ、ヤマブキソウ、
カタクリ、アマナ、フクジュソウ、ニリンソウ、
コバイモ、エンゴサクの仲間などです。
ephemeral(エフェメラル)とは、昆虫のカゲロウのことで、
一日しか命の無いカゲロウのようにはかないことの意味から、
現れてすぐ消える短命な生き物のことを云うようになったようです。


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ツバキとサザンカの見分け方


ツバキ(狭義のツバキ。ヤブツバキ)とサザンカはよく似ているが、
次のことに着目すると見分けることができる
(原種は見分けやすいが、園芸品種は多様性に富むので見分けにくい場合がある)。

・ツバキは花弁が個々に散るのではなく萼と雌しべだけを木に残して
 丸ごと落ちるが(花弁がばらばらに散る園芸品種もある)、
 サザンカは花びらが個々に散る。
・ツバキは雄しべの花糸が下半分くらいくっついているが、
 サザンカは花糸がくっつかない。
・ツバキは、花は完全には平開しない(カップ状のことも多い)。
 サザンカは、ほとんど完全に平開する。
・ツバキの子房には毛がないが(ワビスケには子房に毛があるものもある)、
 サザンカ(カンツバキ・ハルサザンカを含む)の子房には毛がある
・ツバキは葉柄に毛が生えない(ユキツバキの葉柄には毛がある)。
 サザンカは葉柄に毛が生える。


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飛行機の翼ではありません。
葉柄があるものの中には、
「翼」と呼ばれる葉の延長のようなヒレ状のものがつく種があります。
また、枝に付く種もあります。
葉につく種。
ウルシ科 ヌルデ
ミカン科 カラタチ
ミカン科 フユザンショウ
ニガキ科 クアッシア
枝につく種。
ニシキギ科 ニシキギ


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ツユクサ科(Commelinaceae)の植物


ツユクサ科(Commelinaceae)は単子葉植物の
分類群のひとつで約40属650種を含む。
日本に自生するツユクサ、イボクサ、
ヤブミョウガなどのほか、園芸植物を多数含む。

「ツユクサ属(Commelina)」
  ・ ツユクサ
  ・ オオボウシバナ(アオバナ)
「ムラサキツユクサ属(Tradescantia)」
  ・ ムラサキツユクサ
  ・ トキワツユクサ
  ・ トラデスカンティア・シラモンタナ
  ・ セトクレアセア・パリダ(ムラサキゴテン(紫御殿))
  ・ シマムラサキツユクサ(ハカタカラクサ)
「ヤブミョウガ属(Pollia)」
  ・ ヤブミョウガ
「ギバシス属(Gibasis)」
  ・ ブライダルベール
「ムラサキオモト属(ムラサキツユクサ属から独立)」
  ・ ムラサキオモト
「イボクサ属(Murdannia)」
  ・イボクサ
「ディコリサンドラ属(Dichorisandra)」
  ・ ブルー・ジンジャー


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七草


七草(ななくさ)は、人日の節句(1月7日)の朝に、
7種の野菜が入った羮(あつもの)を食べる風習のこと。
本来は七草と書いた場合は秋の七草を指し、
小正月1月15日のものも七種と書いて「ななくさ」と読むが、
一般には7日正月のものが七草と書かれる。
現代では本来的意味がわからなくなり、
風習だけが形式として残ったことから、
人日の風習と小正月の風習が混ざり、
1月7日に”七草粥”が食べられるようになったと考えられる。


昔の七草
米・粟・キビ・ヒエ・ゴマ・小豆・蓑米(ムツオレグサ)
昔の七草とは、これ以下の「春の七種 (はるのななくさ)」や
「秋の七種 (あきのななくさ)」と異なることを指す。


春の七種
春の七種とは以下の7種類の植物である。
芹(せり)/芹/セリ科
薺(なずな)/薺(ぺんぺん草)/アブラナ科
御形(ごぎょう)/母子草(ははこぐさ)/キク科
繁縷(はこべら)/繁縷(はこべ)/ナデシコ科
・仏の座(ほとけのざ)/小鬼田平子(こおにたびらこ)/キク科
・菘(すずな)/蕪(かぶ)/アブラナ科
蘿蔔(すずしろ)/大根(だいこん)/アブラナ科

現在の7種は、1362年頃に書かれた
『河海抄(かかいしょう、四辻善成による『源氏物語』の注釈書)』の
「芹、なづな、御行、はくべら、仏座、すずな、すずしろ、これぞ七種」
が初見とされる。


秋の七草
秋の七草は以下の7種の野草のことである。
女郎花(おみなえし)/オミナエシ科
尾花(おばな:薄(すすき)のこと)/イネ科
桔梗(ききょう)/キキョウ科
撫子(なでしこ)/ナデシコ科
藤袴(ふじばかま)/キク科
葛(くず)/マメ科
萩(はぎ)/マメ科

山上憶良が詠んだ以下の2首の歌が
その由来とされている(2首目は旋頭歌)。
・秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり)
かき数ふれば 七種(ななくさ)の花(万葉集・巻八 1537)
・萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志(をみなへし)
また藤袴 朝貌の花(万葉集・巻八 1538)
「朝貌の花」が何を指すかについては、
朝顔、木槿(むくげ)、桔梗、昼顔など諸説あるが、
桔梗とする説が最も有力である。

春の七種と違い、秋の七草に直接何かをする行事は特にない。
秋の七草は、それを摘んだり食べたりするものではなく、
眺めて楽しむものである。


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閉鎖花(へいさか)


花というと花びらがあって雄しべや雌しべがあって、
きれいな色で・・・というイメージがありますが、
閉鎖花と呼ばれる花があります。
文字通り開かない花です。
つぼみの形のままでいつの間にか(自家受粉して)
実になり種子を作っている花です。
花を咲かせるよりも閉鎖花のまま自家受粉した方が
エネルギーが少なくて済み、効率的なのでしょう。
それに対してイメージ通りの、咲く花を開放花とよびます。
わが国では,牧野富太郎博士により11科14属19種が
リストアップされているそうです。
有名なのはスミレやホトケノザがあげられます。
また地中に閉鎖花をつけるものもあります。

地上に閉鎖花をつける植物 
スミレの類、ホトケノザ、センボンヤリ、
キッコウハグマ、フタリシズカ、ツリフネソウ、
タツナミソウ、ミヤマカタバミ、キキョウソウなど

地中に閉鎖花をつける植物 
マルバツユクサ、ミゾソバ、ヤブマメなど


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ホトトギス属


ホトトギス属植物は19種知られており、
いずれも東アジアに生育している。
日本には13種分布しているが、この内の10種は
日本だけに生育する日本固有種である。
この分布の様子から、日本はホトトギス属の分化の中心地と云える。

ホトトギス属は大きく4つのグループ(節)に分けられる。

第1のグループは黄色の釣り鐘型の花冠を持つジョウロウホトトギス節で、
ジョウロウホトトギス、キイジョウロウホトトギス及び
サガミジョウロウホトトギスの3種からなる。

第2のグループは黄色で、上向きに咲く花を着け、
茎に開出毛の出るキバナノホトトギス節で、
キバナノホトトギス、チャボホトトギス、タカクマホトトギス及び
キバナノツキヌキホトトギスの4種からなる。
これらの2グループ(節)は日本固有種のみからなる。

第3のグループは白色で、上向きに咲く花を着け、
茎に斜上する毛の出るホトトギス節で5種からなるが、
日本にはホトトギスとタイワンホトトギスの2種しか見られない。

第4のグループは白又は黄色の花を上向きに咲かせ、
茎に斜め下向きの毛の出るヤマホトトギス節で7種からなり、
日本にはヤマホトトギス、ヤマジノホトトギス、セトウチホトトギス
及びタマガワホトトギスの4種が分布している。


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ワスレグサ(キスゲ、ヘメロカリス)属


ユリ科(分類によってはワスレグサ科として分ける)植物の属のひとつ。
別名、キスゲ属、ヘメロカリス属。
中国では萱草(カンゾウ)属とも。

中国では「忘憂草」とも表記され、
「ワスレグサ(忘れ草)」の名前は、
「この花が憂いを忘れさせる力を持っている」
という中国の故事に因みます。

・中国の萱草で、「ヤブカンゾウ」の母種とされる 「 シナカンゾウ
・夕方から咲く「 ユウスゲ(キスゲ)
・小ぶりの「 ヒメカンゾウ
・高原に咲く「 ゼンテイカ(ニッコウキスゲ、ムサシノキスゲなど)
・八重咲きの「 ヤブカンゾウ
・一重の「 ノカンゾウ
・交配の親系統として利用された、長崎県の男女群島の「 トウカンゾウ
・九州南部および南西諸島に自生する「 アキノワスレグサ(クワンソウ)

などがあります。


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